良い家造りのためのチェックポイント

ユニバーサルデザイン5原則

1. 姿勢、動作が楽
2. わかりやすく簡単な操作
3. 使用者の違い、変化に対応
4. 快適
5. 安全


21世紀の住まい

1. 人にやさしい
2. 地域環境への配慮
3. バリアフリー
4. マルチメディアへの対応


新しい暮らし

1. 安全・安心(構造)→地震、風
2. 楽しさ(趣味)→音楽、読書
3. 健康(食べ物、運動)
4. 省力・効率(エネルギー)
5. 環境(シックハウス)


住まいの価値

・客観的価値―――目で見て確認できるもの
・主観的価値―――住み心地という目で見ることができないもの
・資産的価値―――経済的に評価したもの
・環境的価値―――CO2、シックハウス、省エネルギー等


高性能な空間づくり

1. 温熱
2. 断熱・気密
3. 窓
4. 健康
5. 燃費


良い家を造るために、知っておきたいこと

現実には、ほとんどの人達はその重要な部分について「知らない、知らされていない」まま、住宅展示場へ出かけています。そして、デザイン、インテリア、設備などの表面的・機能的なことを求め、構造と断熱の方法と依頼先について真剣に問うことも問われることもなく、契約書にサインしています。その結果、住み心地の悪い家に住んで、健康障害に悩まされ、20年も経たないうちに資産価値を失い、環境破壊を引き起こしています。
それは掛けた予算に見合わない価値の乏しい家を手に入れているわけですから、実にもったいないことです。
食べるものには味、着るものには着心地、履くものには履き心地という価値観を持っています。同様に住宅においては快適な住み心地こそが、住宅の根源的な価値であります。




快適な住み心地は、その地方の気候風土に合う材料と工法(木造軸組)を用い、
「断熱」「気密」「冷暖房」「換気」の4つの要素を組み合わせて、職人の知識と経験と
感覚及び感性の総和によって、創り出されるものです。

住み心地が良くなるように、構造と断熱の方法を正しく選択し、つまり床下、壁の中、
小屋裏
を正しく扱い、住む人の立場に立って、正直に手を掛け、手を尽くして造ることである。造る側の都合を優先する大量生産販売の家造りとは、そこが根本的に大きく違うところであり、クライアントが関心を持たない、目に見えないところは徹底的に資材と手間を省いてしまい、「安く、早く、簡単」に、造ってしまうものとの違いを的確に知ることなくして、「いい家」を手に入れることは不可能です。




法隆寺、薬師寺の宮大工として長年にわたって日本の建築の神髄を極められた西岡常一氏は、その著「木に学べ」の中でこのように言われています。
「長い目で見たら木を使って在来の工法で家を建てたほうがいい。日本の建築は、日本で育った木がいちばんよろしんや。いまごろは、アメリカやカナダから木を持ってきてますけど、はたして何年もつかは疑わしいですな。」 西岡棟梁の言葉どおり、家は日本で育った木を使って造るのがいちばんです。それは人にもっとも優しい素材であり、心を癒す作用だけではなく、健康増進に役立つことが医学的に証明されています。
森林総合研究所の谷田さんは、こんな研究成果を発表されています。「木のにおいには生理活性作用があって、昔からカビ、腐朽菌の成長を抑えたり、シロアリを撃退することが知られている。最近になってさらに脱臭作用や快適性増進作用があることが分かってきた。
一定濃度の香りが、副交感神経を刺激してリラックスさせることや、肝臓の働きを高め、脳にもよい影響を与えることも確かめられている。 α-ピネンを含んだ匂いのもとで眠ると疲労の回復が早く、翌日の仕事の能率が上がるし、血液の流れがよくなって血圧を安定させる効果もある」とのことです。
また、国立小児病院の発表では、ヒノキに含まれているヒノキチオールという成分は、アトピー性皮膚炎の患者が感染しやすく症状悪化の原因となる黄色ブドウ球菌や真菌に殺菌効果を発揮して、副作用もないということです。




静岡大学が発表した木材の居住性能評価動物実験報告書によりますと、木製、鉄製、コンクリート製の箱の中に子ネズミを入れて生存率を調べたところ、20日後、木製では88%生きているのに、鉄製では半分以下の42%、コンクリート製では、わずか7%しか生きられなかったそうです。そして、木の箱では、母親ネズミは自分の生んだ子を上手に育てることができるが、コンクリートの箱では、母親は落ち着かず子ネズミの世話をしようとせず、中には弱ったネズミを食い殺してしまう母親もいたというのです。
また、島根大学の中尾哲也教授等の調査によると、木造住宅に住んでいる人は、コンクリート住宅に住んでいる人より、9歳も長生きしていて、木造率が高まるにつれ、肺ガン、食道ガン、乳ガン、肝臓ガン、子宮ガンによる死亡率が減少することが認められたというのです。 これらの実験等が教えてくれていることは、コンクリートや鉄骨造りに代表される無機質的な人工環境は、人間、特に日本人にはなじまないのではないかと思うのです。